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創刻のアテリアル - あれよあれよという間に11周

「創刻のアテリアル」応援中!

今作は戦闘がカードゲームという一風変り種であるから、エウシュリー作品の中でも異色なものであるのだが、多くのファンがこのメーカーに期待している「良い意味で時間泥棒ゲーム」であること、この点に関しては納得できる基準を上回っているだろう。

今回は様々な要因が絡み合った結果、私のプレイスタイルとしては異例となる11周を越えたのだけれど、「物凄く面白いから延々と遊び続けていた」と言うわけではない。一長一短があるゲームながら、これまでの同社作品より簡略化された箇所が手軽な周回プレイに繋がったと自覚している。

他にも周回プレイを何度も行いたくなる一因がシステムにありまして、天使ストーリー、悪魔ストーリー、人間ストーリー。そして正規ルートとは別枠でヒロインENDが8+1というなかなかのボリュームを誇っているのだが、私は初回プレイは天使ストーリーを選択し、プレイ時間は初回プレイに限り60時間とそれなりに掛かっている。

以後、共通ルートはスキップになるから1回プレイの時間は短縮されていくのだが、最終的には全てを隈無く回って5時間ほどで終えられるようになった。結果としてプレイ時間は150時間くらいになるはずだが、プレイ時間というものはその作品への愛着具合やプレイヤーの遊び方や性質にも左右される訳で、大雑把な目安程度にしかならないだろう。

創刻のアテリアルは最低でも3周しないと物語の全容が掴めないシステムであり、4周以上の周回プレイをストレスなく行えるようなバランス取りがされている傾向であることと、周回プレイの意欲を減退させないため、その行動が有意義であるようにと、本筋ルートとは別口攻略になるヒロインが多めになっているのだろう。

以下はポイントごとの感想を述べていきましょう。


・システムや操作性など
18禁ゲームと言えどシステム品質はピンキリでして、エウシュリー作品の大半はピン、即ち優れたシステムのものばかりであるが、創刻のアテリアルもその例に漏れず快適な操作を可能とする素晴らしい作りであるだろう。とは言っても同社の昨年度の作品 神採りアルケミーマイスター と同様にして、優れているからこそ気になる箇所が一つだけあった。

これは至らない点というより贅沢な望みになりそうだが、キャラクターメニューのバトルカードとアイテムカードを表示させたとき、マウスローラーによる基本動作は左側の「バトルカード」及び「アイテムカード」欄の上下スクロールになるんですが、基本動作はそれで良いとしても、右側のデッキ編成枠内でカードにカーソルを合わせてのローラー操作が「基本→装備→成長」、この切り替えに対応していたらさらに良好なシステムだと思えただろう。

カード表示の切り替えは右上のタブをクリックするのだけれど、画面の右上をクリック→カーソルを戻してカードに合わせる→また右上へ… この繰り返しは非常に面倒だと感じた。成長はまだしもカードの装備は頻繁に確認したくなるので、それこそ今後のパッチで改善してほしいほどである。

ちなみに昨年度作品の 神採りアルケミーマイスター ですが、戦闘パートとウィルの工房で「アイテム」を表示させたとき、この時のマウスローラーの基本動作はキャラクターの切り替えになるのだが、画面中央下段のアイテム欄でのローラー操作がアイテム欄のページ切り替えであったならさらに快適度が増したであろう。ウィルの工房である拠点で「工房運営」を表示させたときはアイテム欄のページが切り替わるように出来ているから、不可能ではないはずだ。


・環境設定(Option)について
このメーカー作品のOption画面は大変良く出来ていまして、多岐にわたる設定項目は至れり尽くせりであるし、視認性も優れている。細かいことだが今作はエリアマップ上でのキャラクターらのアニメ設定と、エリアでのキャラ移動アニメーションのオンオフが別枠で設定可能になったことである。

神採りではゲームを円滑に進めるため、移動と思考時間が速くなるようにマップでのアニメ設定をオフにする人が多くいたはずだが、オフにしてしまうとマップ内に点在するキャラやオブジェクトの動きまで止まってしまうから、華が無くて味気ない画面に一変してしまっていた。創刻のアテリアルはキャラクターらの動きはそのままに、移動だけ速めることが可能になったのだ。今からでも神採りにもこの機能が欲しいほどである。


・少なすぎるデッキ保存数
6つまでしか登録しておけないデッキ数は明らかに不便であるだろう。ゲームバランスの一環として、戦略の楽しさを増すために制限が設けられているようには見えないし、最大31枚のカードに31枚分の装備を適宜入れ替えるのは相当の労力を費やす事になる。1周目は新たなカードが次々に現れてくることと、戦術を模索するために様々なデッキを登録しておきたくなるし、物語が中盤に入ると多様な制限有りの闘技場用にデッキの種類を分けておきたい気持ちにもなり、最低でも倍の12枠程度は欲しくなるゲームである。


・2周目から多用する自動戦闘について
以前のBlogで海外製Strategyに於ける「作品の根幹を破壊しかねない」使え過ぎる自動戦闘の危険性を何度か説いていたが、自動戦闘のAIはちょっとお馬鹿で同等の戦力相手には今一使えないと思えるくらいが丁度良いのである。ここに過度の期待をかけることは、その作品どころかメーカーの寿命さえ縮めてしまうほどの恐れがあると思っています。

戦術及び戦略ゲームで遊ぶ本懐は、楽しいと思える戦闘に浸りたい、頭を悩ませてみたい、と思うところにある訳で、その中枢となる部分を「如何にして簡略化させるか」などと言うプレイスタイルは愚の骨頂であると断言してもいい。とは言ってもゲームの戦闘は頻繁に起こるわけで、何度も何度も遭遇してきた敵に対して毎回操作を行うのは手間であるし、勝てると分かりきっている弱い敵に対しての労力も無駄でしかない。

そこでメーカーの手腕が問われるわけですが、創刻のアテリアルの自動戦闘のバランス、及び存在意義は、1周目まではほぼ完璧な出来であると思えた。1周目は要所で辛い戦闘が続き、マップ上を徘徊している敵でも気が抜けない強さであるから、思考を巡らすことと戦闘でカードを操作する戦術が楽しいのだ。

先へ進んで少しずつ自身が強くなってきたら、序盤から中盤のエリアの敵に対しては自動戦闘でも勝てるようになってくるので、ストレスを感じることはあまり無いバランスだと思えるが、基本的に自動戦闘のAIはお馬鹿さんであるから、こちらと同等かそれ以上の戦力相手だと全く使えない代物と化してしまう。飽くまで弱い敵に対して有効なコマンドである。

周回プレイに入ると自動戦闘の頻度が増していき、5周を越える頃には危険種以外は全て自動戦闘で応戦できるほどになるが、そこまでの周回を重ねたのならこんなものかと思えるバランスだけれど、若干の物足りなさを感じることもあった。


・1周目限定だがゲームバランスは良好である
1周目は強敵相手に試行錯誤を重ねることになり、中には1周目では倒せないと感じる敵もいるはずで、シナリオの全てを知るには3周する必要があるゲームとして上手く機能しているだろう。3周ほどすればどんな敵でも倒せるようになり、5周を越える頃には強力なカードが揃ってくるから、特殊条件による制限さえなければ強敵でさえ瞬殺できるようになる。強敵でさえ瞬殺できるようになるのは味気ないことなのだが、元より周回プレイとは己を強化する為でもあるのだから、その点を危惧することは滑稽であるのかもしれない。

初見ではカードの体力勝負でしかないカードバトルとして目に映りそうであるが、カードの種類が増えてくれば、そのカードの能力を駆使した特殊な戦術や変わったデッキで楽しむことが可能になる。しかしながら、それらが可能になる頃には適当なデッキでも殆どの戦いは勝てるようになるので、少しだけ残念である。


・物語の出来は並である
シナリオの評価というのは個人差が出やすい所だと思うのだが、私の良作基準は「どれだけ感情に働きかけてくるか」「トリック系なら洗練されているかどうか」などなど他にも色々とあるんですが、世間での18禁作品の評価基準として、シナリオが良くないと認めてもらえない風潮があるようで、その観点のみの評価は公正を期さないのではないだろうか。

本作は国産コンシューマー作品や海外産RPGなども含めた土俵内で「一つの育成ものRPG」として見た場合、物語の質はそれほど悪いものと思えないし、それを補って余りあるやり込み要素が存在しているわけで、全てに渡って完璧な作品などまず有り得ないだろう。とは言っても同社エウシュリーの作品群では下位に該当するのは紛れも無い事実であり、このメーカーにコミカルな路線は合わないのではとも思えてくる。

エウシュリー作品は、幻燐の姫将軍、戦女神2、神採りアルケミーマイスター、創刻のアテリアルと、私はこの4本を最後までプレイしているが、シナリオが最も良いと思えたものは戦女神2になる。同社の作品群で一般的にシナリオが評価されているものは、戦女神ZEROと戦女神VERITAになるのだが、それよりも劣る戦女神2でさえ私は良いと感じているのだから、年々シナリオの質が悪くなっているのは確かなことであるのだろう。


・便利になったヒロインのフラグ管理だが
今作からは親睦情報ウインドウでヒロインとの親睦状態が一目で分かるようになっており、親睦情報を逐一確認しながら進めれば、意中のヒロインを逃したりすることはまず有り得ない。確かに非常に便利であるし、本作のような多めのヒロインで周回プレイを前提としたゲームには好適なんだろうけど、情緒溢れる作風とは対極に位置する手法になることから、何でも便利になれば良いと言うわけではないと私は感じる。

見えないからこそ惹かれるのであって、努力をするから物の価値が生まれるわけで、全てがコントロールできる空間では有り難みが必然的に下がってしまうのだ。

これはヒロイン云々に限らず全てのゲームに対して当て嵌まることであり、ユーザーへの迎合や時代のニーズに則した作品へ路線変更してくことなども含まれるが、便利になった分だけ失われていくものが必ずそこに有るのだ。その利便性の影に消え行く様式美が有り。

本作の場合はヒロインが8人+1人という多さと、周回プレイを前提としたゲームバランスであることから管理がし易いという長所になっているのだけれど、どちらにしても一長一短な利便性だと感じる。他にも1章で行われる唐突な(野暮な)えっちシーンのこともあるが、前作の神採りとはフラグ管理もえっちシーンの初出も全く逆の手法を取ってきており、18禁ゲームに於ける迎合なのではないかと不憫に思ってしまう。そこまで気を使う必要はないし、ゲーム内容でユーザーに諂うメーカーになったら魅力が無くなってしまう。

とは言っても、このフラグ管理の簡略化とゲーム規模が小粒であったこと
この2点が今回の11周までやり込みに繋がったのだ。


・カードのデザインは多彩でとても美しい
差分や色違いなどが含まれているとはいえ、バトルカードとアイテムカードの総数は膨大な数に上るので、それらを収集していく過程はなかなか面白いと感じられるのだが、一般的な作品とは異なりカードの枠に収まる絵柄でしかない味方や敵キャラクターであり、アイテムや武具なども同様で、ここらの特質は若干ながらマイナス傾向へと働きかけていそうである。本作はそのシステム内容からして賛否が激しいのだけれど、仲間になる人物らが画面上を動き回って戦うわけではないし、これまでのゲームとは異なる寂しさというものを私も少しは感じている。


・最後は異例な作風について
(上記からそのまま続きになりますが)とは言っても、先述しているがユーザーに迎合するようなメーカーや作品に成り果てるのはとても愚かなことであり、新しい分野へ挑戦しなくなったメーカーは進化を否定したことになる訳であって、私は海外ゲームが本当に好きだったから、その悲しい前例を数多く見てきている。

そしてもう一つはメーカーの作品についてだが

・その1
戦女神
戦女神2
戦女神ZERO
戦女神VERITA

・その2
幻燐の姫将軍
幻燐の姫将軍2
姫狩りダンジョンマイスター
神採りアルケミーマイスター

・その3
空帝戦騎 ~黄昏に沈む楔~
冥色の隷姫 ~緩やかに廃滅する青珊瑚の森~
峰深き瀬にたゆたう唄
創刻のアテリアル

区分けとしてはこのようになるので、異例であって当然なのだろう。



以下の続きは若干のネタバレを含んだ感想になります。


※以下はネタバレが含まれています

11周もしていることから結果的にかなり楽しめたゲームになったのですが、だからと言って2周目の最後で放置している神採りアルケミーマイスターをトータルで超えたかと訊ねられたら、「否」となる。

攻略順は、天使→悪魔→人間と、物語を理解するには最適と発売前に公言されていた順番でプレイし、ヒロインは

天使で妹の美來
悪魔で沙夜音
人間で杏里咲
天使でまどか先輩
悪魔でアカリ(ここで初EXシナリオ)
人間で会長鳴海
天使でメヒーシャ
天使でシャネオルカ

このような順でプレイしたのだが、1番目が妹なのは妹が欲しかった願望の現われなのだろう。2番手の沙夜音は悪魔ルートは2人しか選択できないから必然的に。3番目は人間ルートでキーマンとなる鳴海先輩にする予定だったが、杏里咲の絶叫をここで初めて聞いてそのまま杏里咲になった。

4番手まどか先輩は攻略可能ルートの数勘定をしてそこで選択したのだが、まどかカードは不屈の精神がとても強いと後で知ることになった。順序として5番目にアカリを選んだ人は結構いそうであるが、この5周目が最も笑えるプレイとなった。

アトリの為に用意されたEXシナリオを5周目で初めて体験したのだが

・悪魔ルートの如何わしいラスト
・ヒロインが馴染みのアカリ
・EXシナリオでのアトリとの純な交流

この3つの組み合わせのボディーブローはかなりの破壊力を秘めている。鳴海先輩は声優がりのさんであるから最も気になるキャラクターであったが、6番目になってしまった。7番目は天使の出世頭となったメヒーシャ、最後はコスト6カードの性能が半端ないシャネルになり、あれだけ性能が高いのならもっと早い段階で攻略しておけば良かったと後悔した。

そんなこんなでなかなか楽しめた作品でしたけど、追加要素があるアペンドが待ち遠しいと思えるほどではない。とは言っても発売されるのなら購入するつもりだが、wikiで紹介されている汎用性が高い「まおーさまと愉快なコツミヤノミコト達デッキ」とか、最終兵器となるセリカ4枚+コスト7アナスタシア+吹き飛びダメージ要員という凄まじい攻撃力を誇るデッキが存在しているので、ちょっとやそっと敵が強くなった程度では歯ごたえがないのではないだろうか。なので、アペンドが出るのなら是非とも上位の難易度も追加してほしいものである。

という訳で、ここまで目を通してくださった皆様
途中までの方々も、ありがとうございました。



以前にも書いているが、今年はこれまで遊べなかった国産18禁の良作をプレイしていく意向で、次は幻燐の姫将軍2の予定です。本体を購入してダウンロード版のアペンドも購入済みであるが、オリジナルのゲームバランスと追加イベントが何であるかを明確にする為に、アペンドは2周目から入れるつもりである。なので最低でも2周はする事になるから、これも時間を食いそうだ。

その後はいまだに未プレイでのび太君の栗まんじゅう化したままのSTEINS;GATEに、既に購入済みだがPS2版のフェイト/ステイナイト レアルタ・ヌアも遊んでみたい。fateは新規で分割販売され始めたPC版も候補に挙がったのだが、低価格と声優の有無が決め手となってPS2版を選択した。PS2版はベスト品がAmazonで2300円くらいで売られている。さらにその後は戦女神のZEROとVERITAをプレイ予定であるが、恐らく2012年が良いゲームを最も数多くプレイした年になりそうである。

創刻のアテリアルの直前にプレイしたライアーソフトの 漆黒のシャルノスFVR はかなりの見所がある良作ゲームだと感じたが、ゲームという枠だけには収まらない芸術品のような素晴らしいノベルであった。この作品は主役がりのさんだから遊んでみたのだが、他のライアー作品もプレイしてみたくなったなあ。
  1. 2012/06/02(土) 22:21:06|
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